零下59度の旅 (集英社文庫)



零下59度の旅 (集英社文庫)
零下59度の旅 (集英社文庫)

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シベリアの旅にはモノクロームな写真がしっくりくる

たしか、椎名誠の文章が「昭和軽薄体」と言われていた頃に、シリアスなタッチで描かれたシベリア紀行本があるはずだ。不意に読みたくなった。でも頭の中でタイトルがあやふや。「シベリア夢幻」だったような気がする。でも本屋の棚にあったのは「零下59度の旅」。ぼくの勘違いかと思って購入。あとで調べてみて気がついたのは、ぼくが欲しかったのは「シベリア追跡」(集英社文庫)で、「−夢幻」の方は文庫化する際に「零下−」と解題されたもので全くの別ものだったことである。まあ、いいや。本書は写文集で椎名誠自身が撮影したモノクロ写真が中心となっている。厳寒のシベリア。カラーフィルムで撮影してもモノクロームな雰囲気になりそうだ。文章の方は写真のキャプション的役割にあるのだけれど、文と写真がセットで配置されていないので、少々戸惑う面もあった。これもまあ、別にいいけれど。
こんな世界もある

確実に住んでいる人たちがいるのだ。世界一低温の居住地、シベリアのオイミヤコン。マイナス50度に住むとはどういうことなのか、今までにあまり語られた事がないのが不思議だ。息がたちまち凍り、その粒が空気中に漂う「居住霧」、家の中も外もその居住霧でボンヤリし、低い位置の太陽光もさえぎられる。たくさんの写真は状況をすばやく語る。世界には様々な文化や暮しがあるが,それ以前にこうした極寒地での、生きていくだけで大変な土地での人々の様子は誠に興味深い。小中学生の人たちに、こういった暮しもあるんだよとぜひ紹介してみたい一冊でもある。私にとっても、大事な宝物のような本なのである。



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