本当は不気味で怖ろしい自分探し



本当は不気味で怖ろしい自分探し
本当は不気味で怖ろしい自分探し

商品カテゴリ:医学,薬学,医療,看護,介護
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タイトルがあざとい

 編集者の発案なのか、あざと過ぎるタイトルから連想されるどろどろとした恐怖や、いかにも挑発的な指摘を期待していたが、本を開くとあっさり裏切られた。代わりに、もっとぼんやりとして、紋切り型ではない、自己と他者の認識のずれにまつわるエピソードが淡々と語られていく。

 珠玉は「本当の自分は実は自分の外に偏在している」という文章に代表される終章だ。正直、タイトルの印象が強かったこともあって、ここへ来るまでは少し物足りなかった。が、ここへ来て急に目を開かされるようになる。

 ※ちょっとネタばれ的なので、読みたい人はこの段落飛ばして下さい。
 今では多くの著作を発表しているが、かつて筆者には自分の言いたいことをうまく言えないもどかしさに苦しんだ時期があったそうだ。日常暮らしていて出会う、はっとする、琴線に触れる鮮やかな出来事を、どうにか表したいと思いながらも的確に言葉にすることができず、思い悩んだという。そこで大学ノートに、他者が書いた文章の中で、自分の表現したい感覚にフィットする秀逸な言い回しを抜き出すことを始めた。とくに島尾敏雄の文章が多かったという。ある時そのノートを読み返していたら、そこにこそ「あるべき本当の自分」の姿があるとに気づいたということだ。

 結果的に、この本を通じて自分にとって自分がなぜ貴重な存在であるのか、そして孤独なのかということが一挙にクリアになってしまった。
 他のもっと精神科の含有量の多い著作も読んでいるが、基本的にこの人は精神科医でありながら分析者の高みに立たず、むしろ自分を患者と紙一重の同類と見なし、ただ一線を越えてしまっただけの相手を同じ目線の高さからじっと観察しているようなフシがある(一方で無作法者への常識的な苦言だとか、庶民的な感覚も混在しているが)。ともかく、なにか言いたい結論のために事例を開陳しているのではなく、その総体に漂う、なにか得体の知れないものを言い表したくて、乾いた筆致で一風変わった出来事や人物を淡々と語っているような印象だ。そのため物足りないと言えば物足りないこともあるが、読みながら同時にぼんやりと思いをめぐらせるゆとりがあるので、自分の考えをまとめる一助にもなってくれる。
高所から下を見たときに感じる恐怖感の原因

強烈に気になるタイトルです!

タイトルから思い出したのが、

映画『催眠』でした。

催眠術師が、ある少女を治療中に(ではないのですが・・・)

少女の「自分」の中で眠っていた

「本当の自分=怪物」(?)を

引き出してしまうことから起きる連続事件。

本書の内容は精神分析の予備知識がなくても、

簡単に楽しく読めるエッセイでした。

最も面白いと感じたところは、

高い所から下を見たときになぜ恐怖を感じるのか?

「そこから落ちたら死んでしまう」と脳が

判断するからではない・・・・

恐怖を感じるのは、その時に「自分」の中から

そっと出てきた「本当の自分」が

「・・・・・」と思ってしまいそれを「自分」が「やばい!!」

と思って恐怖するのである!!・・・・

この「・・・・・」の部分を読んだ時には

背筋が凍りました!!

あまりにも面白く怖ろしいので伏字にしておきました。

タイトルにつられて

草思社のWEBで「刊行記念対談」を行っており、
「究極の自分探しマニュアル」と帯にしるしてあるので、つられて購入。
本当の自分の心の内を分析されたらさぞ怖いだろうと期待したのだが・・・。
これは、ちょっと怖い小説?、ファンタジー・・・ ? 物足りなかった。
勝手に、「自分を精神分析できる」と思いこんでいた自分が悪いのだが。





頭を柔軟にする自分探しの活用術

エッセイとフィクションが織り交ざった不思議な自分探しの世界。
心に潜む不可解さに著者が奇才精神科医が迫る!
『謙虚さの有無』

精神科医である春日さんのエッセイ(ノンフィクション部分)と、その事に関連して春日さんの書き上げた短い小説(フィクション部分)が合わさってひとつの章になっている、一風変わった本です。

「自分探し」というまずこの言葉の定義をキチンとしてから始まる事が良いです。曖昧に「自分探し」という単語だけでは私とあなたの考える「自分探し」という単語から受けるニュアンスの違いから誤解を招く事が多いと思うのです。そして、この「自分探し」という単語は人によって受ける意味に開きが大きいとも思うのです。

また、春日さんの不思議に思う事、そしてそれに付随して考えが及ぶ細部がとても変わっていて、また、変わっているのに腑に落ちる場面が多くてとても面白かったです。

「自分探し」の最中に、用心してもらいたいものとして春日さんの挙げる『謙虚さの有無』に尽きると、私も同感しました。

『謙虚さの有無』が客観性の度合いを弱め、他人からいわゆるイタク見える、下品な(自分さえ良ければ構わないという考えが透けて見える)グロテスクな存在に陥るのだと。

「自分探し」は広義に解釈すれば、していない人はいない。それそのものがいわゆる人生といっても良いと思う。しかし、狭義の意味において、「本当の」が付く「自分探し」は逃避や幻想や妄想である。謙虚さの、客観性の無い所に正当な評価は現れない。

と、私は考えるので、春日さんと「自分探し」という単語を定義した意味を近く感じたので、また納得したので、そういう方にはオススメ致します。しかし、その考えに同意できる人ばかりが読むことでは春日さんの考える「グロテスクな人々」には届かない本でもあるとも思う。この本のタイトルから興味が湧いて読もうと思う人には既にそういう傾向が高いと思うので。



草思社
無意味なものと不気味なもの
私たちはなぜ狂わずにいるのか (新潮OH!文庫)
心という不思議―何をやっても癒されない (角川文庫)
精神のけもの道―つい、おかしなことをやってしまう人たちの話
幸福論 ―精神科医の見た心のバランス (講談社現代新書)




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