奇貨居くべし―春風篇 (中公文庫)



奇貨居くべし―春風篇 (中公文庫)
奇貨居くべし―春風篇 (中公文庫)

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『奇貨居くべし』(春風篇、火雲篇、黄河篇、飛翔篇、天命篇)

中国古代史の真髄に迫る大著だと思います。
当時の世情や人間関係の妙を巧みに表現しており、初心者には受け入れ易い作品であり、熟達者にとっては思考に訴えかけてくる刺激的な作品であると思います。
また、秦の始皇帝ばかりが強調される時代における呂不韋の存在と影響を知ることのできる稀少な作品ではないでしょうか。
初期の宮城谷作品のほうがすきなんですよね・・・

残念なことに今ひとつのれませんでした。初期のほうが
よかったなぁと再確認しつつ読んでしまいました。
とりわけ、最終巻で民主主義という言葉を見たとたん、
思いっきり引いてしまったんですよねぇ。
「始皇帝の父では?」と言われる人物は世界最初の民主主義思想家だった

「始皇帝の父では?」と疑われる商人「呂不韋」、彼は「呂氏春秋」編纂という文人としても有能な人材である。さらに、あまり一般には知られていないが、彼は「日本の明治時代の民主主義」に近い思想を持っており、世界最初の真の民主主義者(私見)でもあった。

その彼が、なぜ始皇帝の父という不義者の疑いを持たれているのか?宮城谷氏だからこそ読者に納得できる物語となる。荀子との出会いを初め、宮城谷氏ならではの物語の展開は、読んだものを魅了せずにはおかない。まさに宮城谷哲学の真骨頂を見せる、歴史長編小説である。
大きな困難こそ大きな道を開く−座右の書としたい良書

「呂氏春秋」編纂という人文学上の偉大な功績で知られる呂不韋の生涯を壮大なスケールで描いた作品。呂不韋は、賈人(商人)より身を起こし後に秦の宰相となり、民主主義による中華の統一を目指した。皮肉にも呂不韋により戦略を変更し国を決定的に富ました秦が、その国力をもとに始皇帝による絶対専制により戦国を終結させたことを考えるとその思想の斬新性がわかる。本作では「青雲はるかに」の「笵雎」「魏ぜん」、そして「孟嘗君」が登場し、また「藺相如」「廉頗」まで現われ、諸子百家も参加、まさに人物だけでも胸踊るスケールの大きさを感じさせる。呂不韋は与えることからまずはじめる利他の精神を実践した人で、自らの理想を求め強い意思とを行動力で一歩また一歩と道を歩んで行く。その行動は?,*!環して信義に厚く、やがて理想を民主主義とみるやその実践のために宰相位に上るが、その間の困難たるや並大抵ではない。この艱難辛苦を友とし、大きな困難をとおり道を切り開く様は、何事もイージーな結果のみ重視する世の中にあって、非常に勇気付けらると同時に、時代によってかわらない絶対に重要な価値を教えてくれる。



中央公論新社
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